「持病があっても入れる保険です!」
このようなフレーズがテレビのコマーシャルから聞こえるとつい気になりますね。
お薬を飲んでいるので保険はあきらめていたわ。
わたしでも入れる保険があれば嬉しいわね!
健康に不安がある人ほど、医療保険には加入しておきたいと思うものです。
保険会社もそのようなニーズにこたえる保険商品を販売しています。
「引受基準緩和型の医療保険」です。
通常の医療保険と比べると症病歴などの告知項目が少ないのが特徴です。
「持病があっても加入できる」点は最大のメリットですが、加入前に注意点は押さえておきましょう。
また、このタイプの医療保険は意外と数が多くありますので、選び方も知っておきましょう。
引受基準緩和型医療保険のデメリットを知っておきましょう
広告ではいいところばかり強調されていると感じます。
デメリットはないのでしょうか?
良いところだけ聞くと、デメリットも知りたくなりますね。
このタイプの保険の特徴は大きく2つあります。
ひとつは、通常の保険よりも保険料が割り増しされていること。
もうひとつは、加入から1年間は給付金が削減されることです。
このふたつの特徴は、加入者からするとデメリットといえるでしょう。
これらの特徴について詳しく説明をします。
保険料が割り増しされています
通常の保険と比較すると、引受基準緩和型の保険料は高くなっています。
加入しやすい分、保険料が高くなるのは仕方がない部分だと感じます。
持病がある人のための保険ですので、入院や手術などの給付金請求は通常の医療保険よりは多くなりがちです。
保険会社も、給付金の支払いが多くなることを予想して保険料を高く設定しています。
給付金の削減期間があります
加入から1年以内に入院手術で給付金を請求すると、契約内容の半額の支給となります。
え~、半分しかもらえないの?
加入者の中でも、早々に入院手術が発生する人もいれば、慢性的な持病のためすぐには給付金を請求することはない人がいます。
保険会社としては加入者の公平をはかるために、早期の給付請求については半額に削減するとしています。
一部の保険会社では、1年間の削減期間がないところもあります。
通常の医療保険に加入できる可能性もあります
持病があってずっと服薬をしているので、通常の保険の加入は無理よね?
お母さんのような先入観を持っている人は多いです。
過去に保険を申し込んだものの、診査が通らず加入ができなかった経験があるかもしれません。
みなさんの誤解を少し解いていきますね。
服薬によって健康な状態が保てている場合
慢性的な病気のために、長い期間服薬をしている人はいます。
しかし、服薬により健康診断などの結果も良好であるようなら、通常の保険に加入できる可能性はあります。
保険を引き受ける保険会社が「服薬により健康を保てているからOK」と判断することもあるのです。
服薬名や服薬期間、健康診断の結果などから加入の可否が判断されると思って下さい。
特別条件付きでの加入
保険会社は加入の申し込みに対して、健康告知の内容などを診査してから契約を引き受けるかどうか決定をします。
この決定結果は、
「保険を引き受ける(加入できる)」
「保険は引き受けられない(お断りされる)」
の二択だけではありません。
「特別条件付きでの引き受け(条件付きでの加入)」という結果もあります。
健康告知の内容から、近い将来に入院や手術などがありそうな「特定の部位や疾患についてのみ期間を設けて不担保にする」ことで、保険会社は保険を引き受けるというものです。
このような条件付きで保険に加入している人はけっこう多いです。
特別条件の内容に納得できれば、保険料の安い通常の保険の加入ができます。
診査基準は昔と比べてゆるくなっている
むかし、医療保険を申し込んだけど診査が通らずに加入できなかったことがあります。
今後も通常の保険に加入することは無理なんじゃないかしら?
お母さんのような経験が一度でもあると、通常の保険をあきらめてしまうこともありそうですね。
しかし、保険会社の診査基準はこれまでの給付金の支払い状況などから、加入の基準がゆるくなっているところもあります。
過去に通常の保険加入ができなかった経験があっても、現在なら診査が通りやすくなっている場合があります。
過去の経験にとらわれずに、時間がたっているようなら通常の保険の加入も視野に入れてみましょう。
引受基準緩和型の保険の選び方
通常の保険への加入が難しいと判断したら、引受基準緩和型の保険を考えていきましょう。
告知する内容は保険会社によって異なります
引受基準緩和型の健康告知の内容は、保険会社によって微妙に異なります。
保険会社によって、リスクの許容度(給付金を支払う可能性)の考え方が違うからです。
同一人物でも、A社は加入できるけど、B社は加入できないということもあるのですか?
お母さん、それはありえます。
過去の入院や手術歴などの許容範囲などは保険会社によって異なるため、告知書で尋ねられる質問には多少の違いがあるのです。
引受基準緩和型保険については、健康告知の項目から加入できそうな保険会社をみつけてから比較検討します。
告知内容はパンフレットに記載されています
保険会社ごとの健康告知の内容はどこをみれば分かるの?
引受基準緩和型の保険については、パンフレットに告知内容が記載されていることが多いです。
いくつか保険会社の資料を取り寄せても良いですね。
また、インターネットで保険会社の公式ホームページをみると告知内容の閲覧ができるところもあります。
健康告知の質問に答えてみましょう
引受基準緩和型の保険なら、健康に関する告知の質問事項は3~5個ほどです。
まずは、ひとつひとつの質問に自分の健康状況を照らし合わせて答えてみましょう。
質問事項に引っかかることがなければ保険の加入ができそうですね。
複数の保険会社を取り扱う保険代理店の利用も便利
現在は、多くの保険会社が引受基準緩和型の保険を販売しています。
ひとつひとつ自分で調べるのも大変かもしれません。
そのような時は、複数の保険会社を取り扱っている保険代理店で比較検討できないか相談しても良いでしょう。
保険代理店を利用するなら、引受基準緩和型を選ぶ前に通常の医療保険への加入の可能性を合わせて相談してみましょう。
経験のある担当者なら、加入に関するおよその目安を教えてくれたり、相談者のメリットを考えた選択肢を提案してくれると思います。
まとめ
保険で「もったいない」と思うケースをあげます。
「通常の医療保険に加入できたのに、保険料が高い引受基準緩和型の保険に加入している」ことです。
通常の医療保険への加入を考えてから、引受基準緩和型の保険を考えるのが正しい順番です。