住宅ローンの契約時には「団体信用生命保険」(以下団信)に加入します 。
団信は死亡保険の役割があり、住宅ローンを借りている人が死亡したり高度障害状態になった場合にはこの保険でローンの残高が完済されます。
世帯主の万一時には、残された家族が安心して持ち家に住み続けるられることになりますね。
最近の団信は多様化しており、ローンを借りている人ががんに罹患(りかん)したときにもローン残高がなくなる「がん団信」も登場しています。
ぼくは、がんになった時にも住宅ローンがなくなる団信を選びたいと思っています。
働き盛りの時にがんに罹患すると、治療のために仕事を変えざるを得なくなり収入が減ってしまうこともありますものね。
ところで、がん団信を選んだら契約中の「がん保険」は解約してもいいのかな?
「がん団信」と「がん保険」、どちらもがんに罹患したときの保険ですね。
しかし、その役割にはすこし違いがあります。
ヒロシさんのように悩んでいる人に、その違いをお伝えしますね。
がん団信とがん保険の違い
わかりやすい考え方として、家計のお金の流れで考えてみると良いでしょう。
「がん団信」は、がんに罹患すると住宅ローンの支払いがなくなり家計の支出がなくなります。
「がん保険」は、がんに罹患すると給付金を受けとることで家計の収入が増えます。
なるほど~!
住宅ローンの支出を無くすのと、がんの治療費を受けとるという違いですね。
がん団信は「支払いがなくなる」
住宅ローンは数千万円という大きな借入金額を長期にわたって返済していくものです。
「もし、がんで働けなくなって収入が減ってしまったら返済できるかな・・」
こんな不安があたまに浮かぶこともあるでしょう。
がんにより働けなくなり収入が減ってしまうことへの備えとしては、がん団信はとても頼りになると思います。
ぼくは3,000万円の住宅ローンを借りるつもりです。
がんになったときにこのくらいの金額が保障されるがん保険はほとんどないですものね。
とくに住宅ローンの借入金額が大きい場合は、がん保障分の上乗せ金利があったとしても、がん保障の費用対効果は高いといえるでしょう。
がん保険は「給付金を受け取る」
がん団信のおかげで、がん罹患時に住宅ローンの支払いがなくなったとしても、治療にかかるお金が出るわけではありません。
なるほど~。
がん保険では治療費をまかなうということですね。
がんの治療費用を自分で準備できるかどうか、もう一度よく考えてみてね。
ヒロシさんが以前、がん保険に加入したのは「がんの治療費用が必要だと思ったから」ではないでしょうか?
がん団信で住宅ローンの支払いがなくなった分を治療費にあてるという考えもありますが、収入が減ってしまったときは治療費用を確実にねん出できるかはわかりません。
がん保険を解約するかどうかは、治療費用が自分で準備できるかどうかで決めようと思います。
住宅ローンをを繰り上げ返済する計画をしている人もいると思います。
中高年になったときには、住宅ローンの完済により団信も終了していることでしょう。
中高年から老後にかけて、がん保障が必要だと思うなら「がん保険」の継続を考えておいてもいいかもしれませんね。
がん団信の注意点
がん団信を選びたいと考えている人は、金融機関によってローン完済の要件がちがいますので注意をしましょう。
「がんと診断されたら・・」
「がんで働けなくなったら・・」
似ているようですが、状況がちがうのがわかりますね。
後者は、がんで収入が減ったとしてもなんとか働ける状態であればローンの支払いは続きます。
早い段階でローンが完済される条件を選ぶと、ローン金利の上乗せも大きくなり返済金額も少し増えるかもしれません。
保障内容とそれに対する返済の上乗せ額に納得感があるか確認しましょう。
まとめ
住宅ローンの契約後まもないうちに、がんなどの重大な病気でローンが払えなくなり持ち家を手放す状況はたいへん辛いです。
いまは住宅ローン金利が低いことからも、がん保障を上乗せした「がん団信」を選ぶ人が多いように思います。
「がん団信」と「がん保険」のどちらかを選ぶというスタンスではなく、それぞれの役割に合わせて必要かどうかを選択するという考え方をしてみましょう。