私たちは共働き家族です。
そろそろ保険を考えておきたいと思ってます。
ヒロシさんとヨウコさん夫婦は、自分たちに合った生命保険を探しているようです。
万が一の死亡保障を考えておけばいいのかしら?
生命保険というと死亡保険が思い浮かびますね。
最近は、働けなくなることの不安の方が身近に感じるという人も増えていますので、就業不能保険も視野に入れてみてください。
就業不能保険が増えている3つの理由
生命保険会社が就業不能保険を販売しているのは、社会的なニーズがあると考えているからです。
ぼくの周りでも急に亡くなる人よりも、病気で会社を辞める人の方が多い気がします。
就業不能保険が増えてきた理由はこの3つがありそうです。
保険の必要性と合わせてかんたんに説明します。
医療技術の進化
働けない状態になる病気の例として、がんや脳血管疾患があります。
すぐれた医療技術により、発症しても命をとりとめる可能性は高まりましたが、治療期間は長くなる可能性が高い病気です。
病気になる前と同様の働き方ができなくなり、経済的に不安定になることがあります。
家族構成の変化
単身(独身)世帯が増えていることも原因のひとつといえます。
経済的にたよる家族がいないことは、自分が働けない事態に備える必要性があります。
家族のための死亡保障は要らないけれど、自分が働けない場合には備えたいと考える人がこれからは増えそうです。
また、夫婦の収入を足して生活を成り立たせている共働きファミリーも多くなりましたね。
夫婦ともに働けない状態に備える必要があるでしょう。
うちもそうです。
わたしは医療機関で働いていますが、もし私が働けなくなっても家族の生活は困ります。
万一時の備えも必要ですが、夫婦どちらかが長期間働けない状況になったときの方が看病も必要でたいへんな気がします。
精神疾患での長期治療
うつ病などの精神疾患で休職や退職をする人もいます。
精神疾患は長期的な治療が必要で就業できないケースがあります。
入院をせずに自宅療養が長くなるなら、民間の医療保険(入院保障)にも頼ることができません。
働き盛りで家計を支えている人に必要な保険です
就業不能保険は、どのような人に必要なのか整理しましょう。
ファミリー家族
うちは夫婦で就業不能保険を検討した方がよさそうですね。
しっかり貯蓄ができるまでは、働けない場合に備えることは必要だと感じました。
ヒロシさん、そうですね。
保険は経済的な備えですから、貯蓄額が増えてきた場合には保険のボリュームを減らしていくという考え方をしてみましょう。
単身世帯
ぼくは独身です。
以前医療保険を考えたときに、医療費は貯蓄でまかなうことにしました。
でも、長期間働けなくなった時には貯蓄では足りないと思います。
ケンタさん、そうでしたね。
保険の役割は、自分で準備ができないほどの経済的な不安に備えることです。
もし働けなくなった時に、どのくらいの期間なら貯蓄だけで生活できそうかを考えてみてもいいですね。
あるいは、そのような時こそ貯蓄を取り崩したくないから就業不能保険で備えておくという考え方もあります
就業不能保険のしくみ
就業不能の保険が気になってきました。
どんなしくみなのでしょうか?
それでは、就業不能保険の支払い要件や、主な給付の受け取り方をお伝えします。
保険から給付金を受け取る要件
就業不能って言うけど、どんな状態になったら保険から給付が受け取れるのですか?
一番気になるところですね。
そのほかの注意点は、保険会社ごとに待期期間(支払い対象外期間)が設けられていることです。
働けない状態から短期間で回復した場合は、就業不能保険の待期期間中にあたり給付金が出ない場合もあります。
待期期間は60日などと決まっている場合や、いくつか選択肢が用意されている保険商品があります。
待期期間を長めにとると、支払う保険料は(長く待つ分)安くなります。
働けなくなる原因が限定されていないかも、注意しましょう。
保険料が比較的安い場合、「がんが原因で働けなくなった場合」などと条件が付いているときがあります。
よく確認しましょう。
給付金は毎月のお給料のように受け取ります
保険の支払い要件に該当したら、給付金は毎月定額を受け取ることになります。
保険の加入時には、毎月いくら受け取りたいか月額を設定して契約をします。
一時金や見舞金などの特約が別に設けられている場合もありますが、基本の保障は毎月の収入を補てんする給付となります。
うつ病などの精神疾患でも保障をしてもらえますか?
ぼくの会社では精神疾患が原因で長期間休んでいる人がいます。
自分は平気と思いたいところですが、最近このようなケースをよく耳にするので心配になります。
いままでの就業不能保険は「精神疾患は保障しない」という内容が一般的でした。
最近は精神疾患の保障のニーズが高く、その保障がある保険商品が発売されるようになりました。
ただし、精神疾患については他の病気の場合よりも保障が限定的になっています。
例えば、「一時金のみの支払い」や「給付回数は18回まで」などの上限があります。
そうなんですね。
それでも精神疾患まで心配なら、保障の範囲が広い方が安心ですね。
公的保障で足りない分を保険でカバーします
もし働けなくなっても公的な保障があります。
公的保障は、会社員と自営業の人で異なります。
それぞれのケースを図解しました。
会社員は傷病手当と障害年金の上乗せと考えましょう
会社員の人が働けない状態になったときには、まず「傷病手当」を受給することになります。
傷病手当は最長1年半まで受給ができますが、その後障害が継続していると認定されると障害手当を受給することになります。
会社員だと公的保障が手厚いと聞いていましたが、傷病手当もそのひとつなのですね。
自営業者は障害年金受給までは自助努力が必要です
自営業者が働けない状態になったときには、会社員が受給する傷病手当の制度がありません。
そのため、働けない時の備えについては大部分が自助努力となります。
障害年金を受給できるのは、障害の原因となった病気やけがの初診日(はじめて医療機関を受診した日)から1年6ヵ月が経過してからです。
状況によっては例外もありますが、基本的には公的な保障を期待できるまでは時間がかかると考えておきましょう。
保険の選び方
働けない時の備えは就業不能保険がわかりやすいですが、死亡保障に特約付加する備え方もあります。
家族構成別に、保険の選び方を考えてみましょう。
ファミリー家族なら就業不能特約付きの死亡保険を選択
ぼくの場合はこどももいるので、就業不能だけでなく死亡保障も備えたいと思っています。
あれもこれも加入するとなると、保険料の支払いが高額になりそうで心配です。
死亡保険と就業不能保険を別々に選ぶのではなく、死亡保障の特約で働けない時の備えができる保険商品があります。
保険会社によって働けない時の保障内容は異なりますので、自分の心配事に優先順位をつけて選ぶと良いと思います。
「働けないに備える」と「万が一の遺族保障」がひとつの保険にまとまっていることで、わかりやすいですね。
単身世帯なら就業不能保険
ぼくは独身で、いま心配なのは長く働けない状態になったときのことです。
ケンタさんなら、就業不能保険にしぼって保険に加入することで良いでしょう。
単独の就業不能保険なら、インターネットで加入できるものも増えています。
まとめ
どんな保険を選ぶかは、「家族構成」や「働き方」によって変わるといえます。
今後は、ますます単身世帯が増える予想があり、就業不能保険の分野のニーズが高まりそうです。
また、働き方の選択肢が増えることで、フリーランスや自営業を営む人も多くなりました。
フリーランスや自営業者は、働けない時の公的社会保障が会社員よりも薄くなる分、民間の保険を利用して備えることが自分を守る手段になります。
感染症のまん延や精神疾患での離職が顕在化するなど、社会の様子を反映して保険の選び方が変わってきていると感じます。
就業不能保険は、今後ますます注目されそうですね。